殻を破るのはいつ?

8月8日のブログに登場した

大阪の若手トップシェフ

と再会してきました。


と言っても出逢った当時若手(笑)なので今ではベテランです。

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1ヶ月換算で480時間くらいは一緒に働いたでしょうか…
通常1ヶ月で168-176時間ですから驚くほどブラックですね。
もうお店も存在しませんし完全に時効でしょうけど。笑



でもこのシェフと過ごした2ヶ月が自分を大きく変化させてくれました。


いわゆるシティーボーイ(本人曰く)のシェフから見ると
完全に田舎のサービスマンだった自分は
店長にも関わらず毎日のようにしごかれました。

「ママゴトちゃうねんぞ!」

必死にやってた若かりし自分には相当きつかった…
料理の知識もなく、
しかもイタリア料理は初めての経験。
イタリアンと言えばパスタとピッツァでしょ?というレベル。
フレンチに加えてイタリアンも勉強する日々が始まりました。


イタリア料理二大巨匠の1人、アンジェロ・パラクッキ氏の弟子として
活躍していた星山英治シェフは『浪速野菜の星山』として名を馳せていました。
辻調理師専門学校を出てフレンチを学んだ後にイタリア料理に目覚め、
料理人向けの専門雑誌にレシピを載せたり
関西のテレビ番組に出演してお茶の間向けの料理を披露したりと、
大阪のイタリア料理界を背負って立つ方でした。


通常営業に加えて店舗清掃や次の日の仕込み、
朝は農家さんや市場を回る生活で毎日18時間ほど働き、
終わってからは星山シェフの経験を聞くためにファミレスで朝まで語る…
本当に夢中で料理やサービスの話を交わしました。
この人がいたからこそフランスの三ツ星シェフとも上手くやれました。
大物シェフとのコラボなど経験があるはずもない自分を気にかけてくれ、
まだまだ若造だった自分にとってどれほど心強かったか。


独立されて今回移転されたお店に行ってきました。
偶然にもちょうどぴったり2年ぶり。
相変わらず料理に本気な方。



値段も好みも伝えず完全おまかせの信頼感。
さっそく苦手な穴子が出てきました。笑

…が、

何これ?

旨い!!!

今まで食べてきた穴子は実は別の食材だったのではないか?と疑うほど。
ありえないほどプリプリ。

昔言われた

「料理人はお客さんの好き嫌いをなくすような美味いモンを作らなアカン」


星山シェフの穴子が美味しかっただけで
穴子は好きにはなれないけど(笑)今回美味しく食べられたのは
やはり星山シェフのそういった想いがあるからなんだろうな。



犬鳴豚も低温でローストされてしっとり肉汁じんわり柔らか。
もう一切れほしいくらい。
シェフの料理を口にすると自分が必死にもがいていたあの頃を思い出します。


あなたにはブレイクスルーのきっかけとなった出来事がいくつありますか?