ゲストから見たあなたは誰なのか

20代の半ばの頃、とあるカフェレストランで店長をしていた時のこと。




そこは市内にありながら緑も青々とした丘の上に佇んだ店舗で、とても景色のよいお店でした。

高校の時にお世話になった体育コースの先生がご友人を連れて来店してくれました。

僕はまだお店に入ったばかりでしたが頑張っていることをとても喜んでくれ、楽しく時間を過ごしてもらえた帰り際。










「あそこに見える山は何ていうんだ?」










「えっ…?」










「なんだ、自分の店の周辺の事もわからないのか。今までこんな話をしてくる人はいなかったのか?お前は店長なんだぞ。ここには市外や県外のお客さんも来ることだってあるんだからせめてこの辺りのことは答えられるようにしておきなさい。それでお前は初めて店長だ。」














本当にもう愕然としたのを覚えています。



店の管理をして料理を運ぶだけではとても店長と呼べないのだ、と。



料理を運ぶだけがサービスマンではない、とわかって勉強もしてきていたはずなのに、そこには目が向いていなかったのです。



ゲストからすれば近くのレジャー施設のことも知りたいかもしれないし、向かいのお店のことも聞きたいかもしれないし、電車の時間だって知りたいかもしれないし、宿泊施設のおススメも興味あるかもしれない。



確かに聞かれないかもしれないけれど、聞かれたら答えられたほうが絶対にいい。





©講談社「DAYS」安田剛士 226th day 備える人 より






こんな感じですね。(加工しました)





思えば接客サービスマンもそういう役割です。


料理人なら学んだ料理をオンメニューするかどうか選べる。


接客する係は身に付けた知識やスキルを披露する機会が来ないまま一生を終えるかもしれない。





でも、そんないつ来るかわからない場面のために絶えず自分を高めていく。






先生からの一言はとても自分に重く響き渡りました。









さて、あなたは備えていますか?