その言葉には先があるかも

システムエンジニアをやっている知人がいます。



昔のこと、その会社の営業さんが取ってきた仕事にクライアントからクレームが来たそうです。

聞けば納品されたシステムが役に立たない、と。

営業さんが受注した内容はこんな感じです。



担当する顧客からの発注や備考が自分の持つデバイスで見られるよう、
必要データをダウンロードできるアプリケーションがほしい



どんなクレームだったと思いますか?


答えは…








ダウンロードに時間がかかりすぎる






だったそうです。


朝出勤してさっさとダウンロードして積み荷作業をして出かけたいのに

ダウンロードに時間がかかって非効率だ、とのことだったみたいです。




で、営業さんがシステムエンジニアさんに文句を言ったら



「でもリクエストの希望は満たしてますよね?」



と返されて喧嘩に(笑)








まぁ確かにリクエストはクリアしたシステムでした。

でも実際に顧客の役には立っていない。




ダウンロードさえできれば遅くていいと考えたのかどうかはさておき、

相手の言葉を額面通りで受け取るとコミュニケーションは成り立たないことがあるということです。






我が社の業務で例を挙げると、




10:00出勤ということで10:00ぴったりに現れたとします。

労働基準法や契約上は問題ないのですが、


あなたが雇用管理する側だったらどうでしょう?




まだ時間はあるし、と思い続けられますか?

時間が経つにつれ、出勤時間を間違っていないかと頭をよぎりませんか?

次第にちゃんと出勤して来るのかどうなのか不安になりませんか?

スタッフによっては時計が進んでいるかもしれず、そのスタッフはどう感じそうですか?




宅配便の「午前中着」が11:59に来た時の印象が近いかもしれません。



確かに午前中ではあるけども。





レストランでも例えることができるでしょう。

すごく美味しい料理なのだけども、提供までにめちゃくちゃ時間がかかる。


美味しいけど待たされすぎて感動が失せた。







当社の事例であるならば《安心感》という隠された前提に配慮がないわけです。

システムの事例には《スピーディーさ》という隠れたニーズをすっ飛ばしていたわけです。

レストランの事例でも《ワクワクできる待ち時間》の範疇を超えているわけです。




相手が言った言葉だけを満たしても、それによって何を手に入れたいのかが把握できていなければ、わけもわからず相手を不快にさせてしまうことがあるのです。


接客業に関わらず、常に誰かと関わっている以上、相手の気持ちは当たり前のように察してあげたいものですね。






あなたはいつも相手の言葉の先まで読めていますか?